小説「光の物語」第139話 〜王都 25 〜
王都 25 蝋燭をひとつ灯した机に向かい、ナターリエはゲオルグからの手紙を広げていた。 最初の動揺は収まったものの、彼女の胸中はいまだ乱れたままだった。 その…
フィギュアスケートや漫画のレビュー、創作小説など。好きなことをゆるゆると
王都 25 蝋燭をひとつ灯した机に向かい、ナターリエはゲオルグからの手紙を広げていた。 最初の動揺は収まったものの、彼女の胸中はいまだ乱れたままだった。 その…
王都 24 その日、ナターリエは王城で心はずむ時間を過ごしていた。 王子妃のサロンでは、以前読み書きを教えたパトリック少年と久しぶりに顔を合わせた。 少年は休…
王都 23 アルメリーアはひとり考え込んでいた。 姉の身が危ういとして・・・自分にできることはあるのだろうか? 三番目の姉レナーテはブルゲンフェルト国王の甥、…
王都 22 誘惑者ゲオルグの来都を知ったアルメリーアは、女官たちに注意を促した。 ナターリエは安全だとしても、社交界に不慣れな他の娘たちのことも気にかかる。 …
王都 21 ナターリエは浮き立つような日々を過ごしていた。 先日王城の図書室で会って以来、マティアスがときおり修道院を訪ねてくるようになったからだ。 訪問の理…
番外編 バラ園 「今年も咲いたね」 春のある日、見頃のバラ園を並んで歩く妻にディアルは話しかける。 「ええ・・・きれいに咲いてくれたわ。嬉しいこと」 結婚の記…
王都 20 「おや、思わぬところで会いましたね」 「マティアス様・・・」 王城の図書室で本を探していたナターリエは、ふいに現れたマティアスの姿に胸を高鳴らせた…
王都 19 「まあまあ、何と・・・」 夜会の翌日、修道院の居間でナターリエの話を聞いたアーベルは笑いに肩を揺らした。 「よくやられましたわ、ナターリエ様」 テ…
王城 18 「ナターリエお姉さまは修道院にお住まいなんですって?どうしてですの?」 狩猟が催された昼下がり、相変わらずつきまとう少女ブリギッテは無邪気そうな笑…
王都 17 「ナターリエ様、いい情報を聞いてまいりましたわ」 王城のお茶会に参上していたナターリエは、楽しげに近づいてくるテレーザに苦笑いした。 テレーザはと…