小説「光の物語」第153話 〜転変 9 〜
転変 9 シエーヌではマティアスが多忙な日々を送っていた。 隣国の脅威に不安がる人々のため、各地を回って士気を高める演説を行う。 流行病の時のマティアスの采配…
フィギュアスケートや漫画のレビュー、創作小説など。好きなことをゆるゆると
転変 9 シエーヌではマティアスが多忙な日々を送っていた。 隣国の脅威に不安がる人々のため、各地を回って士気を高める演説を行う。 流行病の時のマティアスの采配…
転変 8 隣国ブルゲンフェルトの政変を受け、王国中が緊張感を増していた。 ブルゲンフェルトと北の国境を接するシエーヌ方面はもちろんだが、それ以外の国との国境地…
転変 7 「そうか・・・」 アルメリーアからナターリエのことを聞いたディアルは、低い声でそう呟いた。 「残念だな」 ディアルは従兄弟マティアスとナターリエが結…
転変 6 その日王城に現れたナターリエは、深い緑色のドレスに身を包んでいた。 高雅なベルベットの布地は彼女の肌の色を引き立て、若き女伯爵にふさわしい気品を与え…
転変 5 砲兵隊の教練監督として、前砲兵隊長のエクスラーが就任することとなった。 数年前に隊長職から引退していたが、国王と王子の要請に応える形で復帰を決意した…
転変 4 ナターリエはつとめていつも通りに振る舞っていた。 隣国の政変が故郷であるシエーヌに悪影響を及ぼすかもしれない。 その事実に動揺はするものの、取り乱す…
転変 3 隣国ブルゲンフェルトの政変を受け、シエーヌに戻ったマティアスは多忙を極めていた。 国境線の守りを強化すべく重臣たちと協議し、各所に緊急の指令を送る。…
転変 2 「なんてこと・・・」 隣国ブルゲンフェルトの政変を夫から聞かされたアルメリーアは、出来事の痛ましさを嘆いた。 父が我が子を手にかけたとは・・・しかも…
転変 1 隣国ブルゲンフェルトから届いた知らせはローゼンベルクの宮廷をも揺るがした。 かねてから不仲だった隣国の国王と王太子は、ある日些細なことから口論となっ…
番外編 午睡 国王グスタフは夢を見ていた。 数年前に逝った妻の夢。 彼女の美しい髪が、白く優しい手が間近に現れる。 懐かしい声で彼を呼びながら・・・。 「へレ…