光の物語 番外編 藤棚
藤棚 温室のガラス越しに、ディアルがアルメリーアとキスしているのが見える。 そんな光景を見たいわけでもないマティアスは、温室に背を向けてディアルが出てくるのを…
フィギュアスケートや漫画のレビュー、創作小説など。好きなことをゆるゆると
藤棚 温室のガラス越しに、ディアルがアルメリーアとキスしているのが見える。 そんな光景を見たいわけでもないマティアスは、温室に背を向けてディアルが出てくるのを…
胎動 11 何度目かのため息がもれる。 光あふれる温室で色とりどりの花を眺めながらも、アルメリーアの心は晴れなかった。 ナターリエの相手は良くない男だという。…
胎動 10 大広間の夜会でアルメリーアは社交をこなしていた。 ディアルは急な来客とかで少し遅れている。 夫がいてくれなければ美しく装ったかいもないが、物足りな…
胎動 9 ベーレンス夫人が退室した後、アルメリーアはふっと息をついて椅子の背にもたれかかった。 宮廷の風紀を守るのも自分の役目だが、厳しい言葉を告げるというの…
胎動 8 「ナターリエ!いったい何度同じことを言わせるの!本当にあなたはどうしようもないわね」 響き渡る怒鳴り声に、王城の廊下を歩いていたアルメリーアと侍女た…
胎動 7 「ブルゲンフェルトに嫁いだミーネからの便りだ」 雪も解けたある日、ディアルは執務室で一通の手紙をマティアスに示す。 ミーネとは数年前に隣国に嫁いだデ…
胎動 6 自室で着替えを済ませたアルメリーアは、長椅子に座って一人考え込んでいた。 もともとは、読書が好きなナターリエを今度王立修道院に誘ってみようかと思った…
胎動 5 泣いていたクリスティーネは、話をするうちに少しずつ落ち着いた。 婚約者のリヒャルトと結婚式についての意見が食い違い、大げんかになってしまったらしい。…
胎動 4 「今日のきみは一段ときれいだ」 自室へと歩きながら、ディアルは公務のために盛装した妻を優しく見つめる。 夫からの賛辞にアルメリーアは微笑み、彼の頬に…
胎動 3 砲兵隊の視察を終えたディアルは、マティアスや砲兵隊長のノイラート、その従者のゲオルグとともに、城の回廊を歩きながら打ち合わせを続けていた。 「王子妃…