小説「光の物語」第146話 〜転変 2 〜
転変 2 「なんてこと・・・」 隣国ブルゲンフェルトの政変を夫から聞かされたアルメリーアは、出来事の痛ましさを嘆いた。 父が我が子を手にかけたとは・・・しかも…
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転変 2 「なんてこと・・・」 隣国ブルゲンフェルトの政変を夫から聞かされたアルメリーアは、出来事の痛ましさを嘆いた。 父が我が子を手にかけたとは・・・しかも…
転変 1 隣国ブルゲンフェルトから届いた知らせはローゼンベルクの宮廷をも揺るがした。 かねてから不仲だった隣国の国王と王太子は、ある日些細なことから口論となっ…
番外編 午睡 国王グスタフは夢を見ていた。 数年前に逝った妻の夢。 彼女の美しい髪が、白く優しい手が間近に現れる。 懐かしい声で彼を呼びながら・・・。 「へレ…
王都 30 その日修道院のナターリエを訪ねたマティアスは、数日ぶりの彼女の姿に不思議な安らぎを感じた。 そしてゲオルグのことを伝えた時、彼女が示した悲しげな様…
王都 29 「ゲオルグは追放処分になりました。もうあなたに関わることはありません」 修道院のナターリエを訪れたマティアスはそう告げた。 「そう・・・ですの・・…
王都 28 「まあまあ、ナターリエ様・・・あまりご心配なさらずに」 お茶を運んできたアーベルはそうナターリエに声を掛ける。 ナターリエは修道院の居間で長椅子に…
王都 27 背の高い植え込みに囲まれた庭園に、夜の闇にまぎれてその男は現れた。 誰かを待っている様子だが、しばらく経っても訪れるものはない。 男は時折舌打ちし…
王都 26 各地の責任者を集めての会議は終わりに近づいていた。 国王の執務室にはディアルとマティアスと数名の重臣が集まり、会議を通して見えてきた課題を協議する…
王都 25 蝋燭をひとつ灯した机に向かい、ナターリエはゲオルグからの手紙を広げていた。 最初の動揺は収まったものの、彼女の胸中はいまだ乱れたままだった。 その…
王都 24 その日、ナターリエは王城で心はずむ時間を過ごしていた。 王子妃のサロンでは、以前読み書きを教えたパトリック少年と久しぶりに顔を合わせた。 少年は休…