光の物語

小説「光の物語」第118話 〜王都 4 〜

王都 4 その夜は夜会が開かれ、宴のはじめにはマティアスの功績を讃える場が設けられた。 マティアスは国王と王子夫妻の横に立ち、出席者から送られる拍手に礼をする…

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小説「光の物語」第117話 〜王都 3 〜

王都 3 「マティアス様・・・」 久しぶりに会うナターリエは、彼の記憶にあった目立たない少女とはまるで違っていた。 以前の彼女はいつも暗い色のドレスを着て、髪…

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小説「光の物語」第116話 〜王都 2 〜

王都 2 「流行病の対応、実によくやってくれた、マティアス」 「陛下からのお褒めのお言葉、光栄の至りです」 国王の執務室で言葉をかけられたマティアスは恭しく頭…

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小説「光の物語」第115話 〜王都 1 〜

王都 1 「一時は危なかったのですが、なんとか持ち直してくれました・・・」 春めいてきたある日、久々に参上した王城でナターリエは王子妃にそう話す。 「本当に恐…

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小説「光の物語」第111話 〜手紙 9 〜

手紙 9 国王とディアルは各地方からの報告書に目を通していた。 この冬の流行病は下火になりつつあるが、まだまだ予断を許さない。 初動の遅れで多くの犠牲者を出し…

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小説「光の物語」第110話 〜手紙 8 〜

手紙 8 ナターリエは修道院附属の慈善病院を手伝っていた。 流行病の患者が多く、看護人だけでは手が回らなくなっていたからだ。 とはいえ、女伯爵である彼女が病を…

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小説「光の物語」第109話 〜手紙 7 〜

手紙 7 マティアスは年明けから流行り始めた風邪の対応に当たっていた。 シエーヌ領内の街や村はもちろん、最近は城内にもぽつぽつと患者が出始めている。 体力のな…