小説「光の物語」第91話 〜深雪 4 〜
深雪 4 ナターリエの女官としてアーベルの遠縁がつくことになった。 以前は宮廷に仕えていたのだが、結婚のため職を辞した女性だ。 その後病で夫を亡くし、子供もい…
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深雪 4 ナターリエの女官としてアーベルの遠縁がつくことになった。 以前は宮廷に仕えていたのだが、結婚のため職を辞した女性だ。 その後病で夫を亡くし、子供もい…
深雪 3 暖冬になるかと思われたが、ひとたび雪がくると今度は降り続いた。 シエーヌの城に戻ったマティアスは連日の大雪に降りこめられた。 ナターリエの言っていた…
第89話 〜深雪 2 〜 「そうね。ナターリエには気の利く女官がいりますわ」 ディアルから話を聞かされたアルメリーアはやりかけの刺繍をひざに置いて答えた。 「…
第88話 〜深雪 1 〜 クリスティーネの婚礼の翌朝、マティアスの部屋を訪ねたディアルは整えられた旅支度に驚きの表情を浮かべた。 「ずいぶん急な出立だな」 従…
番外編 追想 ナターリエを修道院へ送り届け、王城の自室に戻ったマティアスは小さく息をついた。 せわしない日だった。 ナターリエを聖堂へエスコートし、祝宴ではデ…
晴明 6 窓の外に花火が上がり始め、広間の人々は歓声を上げた。 「まあ、見て!」 新婦のクリスティーネが夫のリヒャルトに驚きの声をかける。 「これは我々からの…
晴明 5 「踊りが上手ですね」 ダンスを初めてしばらくした頃マティアスが言った。 「え、そんなこと・・・」ナターリエは頬を染めた。「ダンスは苦手なんです。いつ…
晴明 4 「妃殿下、ナターリエ様」 夫となったリヒャルトとともにクリスティーネが話しかけてきた。 「二人ともおめでとう。素晴らしい式だったわね」 アルメリーア…
晴明 3 「おまえが婚礼に出席するとは珍しいな」 広間の一隅で酒を飲みながらディアルが尋ねる。 「アーベル殿に頼まれたんだよ」 やっぱり来たかと思いながらも、…
晴明 2 「ナターリエ様・・・」 婚礼の日、聖堂でナターリエと顔を合わせたクリスティーネは感極まって泣き出した。 というより、その日は朝から泣き通しと言う方が…