小説「光の物語」第84話 〜晴明 3〜
晴明 3 「おまえが婚礼に出席するとは珍しいな」 広間の一隅で酒を飲みながらディアルが尋ねる。 「アーベル殿に頼まれたんだよ」 やっぱり来たかと思いながらも、…
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晴明 3 「おまえが婚礼に出席するとは珍しいな」 広間の一隅で酒を飲みながらディアルが尋ねる。 「アーベル殿に頼まれたんだよ」 やっぱり来たかと思いながらも、…
晴明 2 「ナターリエ様・・・」 婚礼の日、聖堂でナターリエと顔を合わせたクリスティーネは感極まって泣き出した。 というより、その日は朝から泣き通しと言う方が…
晴明 1 「ナターリエが明日のクリスティーネの婚礼に出席するそうよ」 アーベルからの手紙を読み始めたアルメリーアは声をはずませ、聞いたディアルも「それは何より…
小説「光の物語」 番外編 贈り物 「わあ、食べたい」 「私も、私も」 外出から戻ったナターリエの贈り物に少女達は大はしゃぎだった。 「そんなに興奮しないの、ち…
冬陽ふゆび 8 「なんて・・・賑やかなんでしょう」 ナターリエは半ば呆然とつぶやいた。 初めて見る王都の広場には人々が行き交い、店からは呼び込みの声、元気な女…
冬陽ふゆび 7 「なんだ、もうシエーヌを追い出されたのか?」 王城に姿を現したマティアスをディアルが笑って迎える。 「人聞きの悪い・・・」 久しぶりに会う従兄…
冬陽ふゆび 6 「さて困ったな・・・あなたがこんなに忙しくしていようとは。余計なことをしてしまったかもしれない」 マティアスは考え込むような仕草をした。 「え…
冬陽ふゆび 5 数日後に迫るクリスティーネの婚礼に出席するか、ナターリエはいまだに悩んでいた。 婚礼は王都の大聖堂で行われることになっている。 この修道院から…
冬陽ふゆび 4 アルメリーアは故郷から届いた大きな包みを前にため息をついていた。 形からして中身はおそらく絵だろう。母が描いた・・・。 思わずふたたび大きなた…
冬陽ふゆび 3 マティアスは王都への旅支度を進めていた。 シエーヌの近況報告と、新たな懸案事項である湖の守りについて詳しいことを打ち合わせるためだ。 急ぎの旅…