小説「光の物語」第122話 〜王都 8 〜
王都 8 「ブルゲンフェルトの姉に手紙を送ってみたけれど、まだ返事は来ないようね・・・」 自室で侍女たちを前にアルメリーアはため息をつく。 姉のレナーテがかの…
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王都 8 「ブルゲンフェルトの姉に手紙を送ってみたけれど、まだ返事は来ないようね・・・」 自室で侍女たちを前にアルメリーアはため息をつく。 姉のレナーテがかの…
王都 7 夜会の翌日、ナターリエは修道院の居間でテレーザと話し込んでいた。 前日にマティアスから言われたとおり、ブリギッテの言動を相談してみたのだ。 「そのご…
王都 6 ディアルはダンスフロアの中央をゆっくりと横切り、ナターリエと踊る若者の肩を軽く叩いた。 「代わってもらえるかな?」 迷惑そうに振り返った青年は王子の…
王都 5 「彼女をどう思います?」 ダンスの開始と共に人々はなんとなく散り散りになり、マティアスはナターリエに尋ねる。 それは少し離れたところで青年と話し込む…
王都 4 その夜は夜会が開かれ、宴のはじめにはマティアスの功績を讃える場が設けられた。 マティアスは国王と王子夫妻の横に立ち、出席者から送られる拍手に礼をする…
王都 3 「マティアス様・・・」 久しぶりに会うナターリエは、彼の記憶にあった目立たない少女とはまるで違っていた。 以前の彼女はいつも暗い色のドレスを着て、髪…
王都 2 「流行病の対応、実によくやってくれた、マティアス」 「陛下からのお褒めのお言葉、光栄の至りです」 国王の執務室で言葉をかけられたマティアスは恭しく頭…
王都 1 「一時は危なかったのですが、なんとか持ち直してくれました・・・」 春めいてきたある日、久々に参上した王城でナターリエは王子妃にそう話す。 「本当に恐…
手紙 12 部屋に戻ったマティアスはひとり苦笑した。 まさかあの子供たちが自分とナターリエをくっつけようとするとは。 たわいなさすぎて腹も立たないが、子供だけ…
手紙 11 「臨時の診療所はもう閉鎖できそうだな」 マティアスはシエーヌ各地から届いた報告書に目を通しながら言った。 「はい・・・あなた様のご手腕に領民はみな…