光の物語

小説「光の物語」第34話 〜降誕祭 11〜

降誕祭 11 「マティアス様は?」 気遣わしげに尋ねる妻をエスコートしながらディアルは答えた。 「行くところがあるんだそうだよ」 「そう・・・」 女性に人気の…

光の物語

小説「光の物語」第33話 〜降誕祭 10〜

降誕祭 10 降誕祭の長い礼拝が終わり、ディアルとアルメリーアは聖堂から小雪の舞う外へ出た。 「やれやれ、やっと終わった」 ため息混じりに口にするディアルにア…

光の物語

小説「光の物語」第32話 〜降誕祭 9〜

降誕祭 9 「お久しゅうございます、殿下」 降誕祭の礼拝に集まった人々の中に、ディアルにとって懐かしい人物がいた。 以前王城の女官長を務めていたエデルガルド・…

光の物語

小説「光の物語」第31話 〜降誕祭 8〜

降誕祭 8 「気は揉まされるが、恋に憧れるのは罪ではありません。彼女が正しい相手に出会うことを願いますよ」 自分とは別世界の話をするかのようなマティアスに、ア…

光の物語

番外編 少年マティアスのつぶやき

番外編 少年マティアスのつぶやき 私の名はマティアス。ヴュルツナー公爵家の長男です。 私の父は国王陛下の末の弟です。 母は大貴族の娘で、政略結婚で父に嫁ぎまし…

光の物語

小説「光の物語」第30話 〜降誕祭 7〜

降誕祭 7 冬の社交が本格的に始まった。 大広間に集まった諸侯たちはあちこちで輪を作り、噂話に花を咲かせていた。 美しく装ったアルメリーアは諸侯たちの挨拶に言…

光の物語

小説「光の物語」第29話 〜降誕祭 6〜

降誕祭 6 「マティアスの家はいろいろ複雑でね」 眠りに落ちる前のひと時、寝台で寄り添いながらディアルが話してくれた。 「彼の両親も家同士の取り決めで結婚した…

光の物語

小説「光の物語」第28話 〜降誕祭 5〜

降誕祭 5 一人掛けの椅子に座ったマティアスが笑みを浮かべた。 「殿下は相変わらずお忙しそうだ」 「ええ。でもマティアス様も・・・何か月も大変なお仕事をされて…

光の物語

小説「光の物語」第27話 〜降誕祭 4〜

貴婦人たちが笑いさざめくサロンに戻る。 アルメリーアは奥のソファにかけており、その横には見習いのパトリック少年がちんまり座り、何かを書いていた。 ディアルとマ…

光の物語

小説「光の物語」第26話 〜降誕祭 3〜

「真冬までの調査、ご苦労だったな」 肩をたたいてねぎらうディアルにマティアスは苦笑いした。 「まったくだ、もう少しで雪山の露と消えるところだよ。しばらくは貴婦…