小説「光の物語」第128話 〜王都 14 〜
王都 14 「母上と父上だって、私が生まれるまで六年近くかかったんだよ。焦ることはない」 「六年・・・」 ディアルの膝の上でアルメリーアは小さくため息をついた…
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王都 14 「母上と父上だって、私が生まれるまで六年近くかかったんだよ。焦ることはない」 「六年・・・」 ディアルの膝の上でアルメリーアは小さくため息をついた…
王都 13 「なんだか元気がないね」 その夜、晩餐室から部屋に戻ったディアルはアルメリーアにそう尋ねた。 「え・・・そうかしら・・・」 さりげなく振る舞ってい…
王都 12 アルメリーアはサロンで笑いさざめく貴婦人たちをぼんやりと眺めていた。 王子妃としての務めや社交はいつも通りこなしていたが、頭の片隅には最近の気がか…
王都 11 「ナターリエお姉様はお幾つでらっしゃるの?私ったら存じ上げなくて・・・」 とある夜会で、問題の少女ブリギッテは無邪気そうな笑顔と大声で聞いてきた。…
王都 10 王城に戻ってほどなく、マティアスの部屋にディアルが訪ねてきた。 やっぱり来たかと思いつつ、平静を装って酒の瓶を手に取る。 「朝早くから出かけていた…
王都 9 外出からの帰路、マティアスは馬上からナターリエの住む王立修道院を遠くに眺めていた。 昨夜のダンスでディアルから彼女を取り戻したあと、マティアスは一曲…
王都 8 「ブルゲンフェルトの姉に手紙を送ってみたけれど、まだ返事は来ないようね・・・」 自室で侍女たちを前にアルメリーアはため息をつく。 姉のレナーテがかの…
王都 7 夜会の翌日、ナターリエは修道院の居間でテレーザと話し込んでいた。 前日にマティアスから言われたとおり、ブリギッテの言動を相談してみたのだ。 「そのご…
王都 6 ディアルはダンスフロアの中央をゆっくりと横切り、ナターリエと踊る若者の肩を軽く叩いた。 「代わってもらえるかな?」 迷惑そうに振り返った青年は王子の…
王都 5 「彼女をどう思います?」 ダンスの開始と共に人々はなんとなく散り散りになり、マティアスはナターリエに尋ねる。 それは少し離れたところで青年と話し込む…